アトピー悪化要因チェックリスト
治療を効率的かつ効果的に進めるためには、アトピーの悪化および改善を遅らす可能性のある要因を自分でしっかりと認識し、それを減らしていく必要があります。以下にチェックリストを記載しますので、該当するものにチェックを入れてみましょう。以下阪南中央病院皮膚科部長、佐藤健二先生の自著『患者に学んだ成人型アトピー治療 〜脱ステロイド 、脱保湿療法』より引用。
《新版》患者に学んだ成人型アトピー治療 難治化アトピー皮膚炎の脱ステロイド、脱保湿療法/佐藤健二著
全身に関係のあること
□心不全、腎不全、肝不全など大病を患っている
□感冒(風邪により90%は悪化するが、高熱などで書く元気もなくなれば皮疹は改善する)
□喘息(状態、程度により水分制限を緩和する必要あり)
□アレルギー性鼻炎やアレルギー性結膜炎のため、耳鼻科や眼科でステロイド入り点眼薬や点耳薬を使用したり、中止したりする
□全身に影響がないと言われている喘息に対するステロイド吸入剤の使用、中止
□「抗アレルギー剤」としてのセレスタミン(ステロイド含有)内服を中断
□痔に対するステロイド入り坐薬を時々使用
□月経(女性の生理、メンス)がない
□排卵(生理と生理の中間)
□身長が伸びる(細胞増殖)
□体重増加(細胞増殖)
□急激な体重減少(栄養状態悪化)
□食事量不足(ダイエットのためほとんど食べない、睡眠不足による食欲不信)
□偏食(バランスよく食べれば甘いものや油っぽいもの、間食も良いが、多すぎるのはよくない)
□食べたら痒くなるものを多く食べる(冷凍食品やインスタント食品、ソフトドリンクには防腐剤が多く含まれるので、痒みを引き起こしやすい)
□知らない薬を飲む(何が起こるかわからない)
□水分摂取過多(水分のとりすぎ、平均的大人では1日2500ml必要)
□夕食後以降、翌朝までに水分を多く摂る
□水分制限のしすぎ(入院以外では1日〇〇mlという制限はしない。喉の渇きに任せてガブ飲みをせず、少しずつ控えめに)
□夜にアルコールを飲む
□漢方の水薬を多く飲む
□漢方薬内服
□昼夜逆転
□家に閉じこもる、運動をしない
□身の回りのことを自分でしようとしない
□急に激しい運動をする
□びらん面存在時のテオドール内服(血圧上昇)
□びらん面のある時の血圧上昇(食事、運動等)など
環境に関係のあること
□高温
□多湿
□乾燥
□非常に寒い日に外出した(軽いしもやけによるかゆみ)
□急な日焼け
□軽い日焼けによるかゆみ
□気温、湿度、気圧の急激な変動
□1〜2週間の間に気候が頻繁に変わる
□暖房機からでる風に当たっていた
□布団が分厚く、ぬくもりすぎ
□枕が大きく、首が乾燥しない
□食事時間が不規則
□夜勤をした
□過労、夜更かし、徹夜
□犬猫などのペットを屋内で飼っている
□退院による生活場所の変化(退院した人の3分の2は退院後平均2週間をピークとして悪化する。その後さらに2週間でよくなる)
精神心理に関係あること
□家族との関係が悪い
□会社での対人関係が悪い
□業務内容の複雑さ
□不眠、朝寝坊、1日中寝ている
□非常に不安になっていた
□叱られた
□恋愛のもつれ
□友達を作れず、しゃべることによるストレス発散ができない
□容貌を気にしすぎる
□くよくよする、落ち込みやすい
□積極的になれない、引っ込み思案
皮膚に関係のあること
□細菌感染(4ミリ程度のかさぶたやびらん、膿疱がある)
□熱の花(単純ヘルペス)
□ガーゼの当たっているところの赤み(ガーゼのかぶれ)
□サロンパスなどの湿布薬によるかぶれ
□消毒薬(イソジン、ヒビテン、赤チンなど)の使用
□強(超)酸性水を使用
□皮(かさぶた)をこすり取ったり、むしり取ったりする
□掻きグセ
□石鹸をつけてタオルで強くこする、または洗いが弱すぎる
□石鹸を使わないときに、タオルで皮膚をこする、ハンカチで掻く
□ナイロンタオルやナイロンたわしの使用
□長い爪
□頻回の入浴(1日2回以上)
□長時間の入浴やシャワー(3分以上湯船に浸かる、シャワーに掛かる)
□強いシャワーに掛かる
□石鹸を手につけて身体を洗う
□皮膚がじくじくしているときに石鹸で洗わない
□洗った後しっとりする石鹸、アトピーに良い、あるいは肌に優しいと言われている石鹸の使用
□ボディーソープの使用
□保湿剤の使用(化粧水、馬油、オリーブオイル、ハブ油、美肌水、ワセリン、アズノール軟膏、その他の軟膏やクリームの使用)
□布やサラシによる保湿
□布団による保湿
□パジャマの服をズボンの中に入れる
□化粧や皮膚に良い、アトピーに良いと言われているものの外用
□刺激のある温泉に入る
□他の人にステロイドを塗る
□毛を抜く、剃る
□水仕事(特に拭き掃除)
□浸出液をティッシュ、タオル、ハンカチ等で拭いとる
□ドライヤーで皮膚を乾かす
□関節部の皮膚と皮膚を直接触れ合わせる
□ステロイドの含まれていることを隠されている外用剤を外用する
□長い髪が首にあたる
□ぬるい湯や水で顔を洗うと後で痒くなるので、熱い湯で顔を洗う
□民間療法
□「良い」と思ってしていること(脱ステロイド、脱保湿療法中は、世間で良いと言われていることは、ほとんどが悪いことであり、その反対が良いことがままあるため、自分が行っていることについて、もう一度洗いざらい考えてみることが必要です)
さぁ皆様はいくつほどチェックがついたでしょうか。ここでチェックした項目が多くなったからといって悲観的になる必要はありません。むしろ、該当項目が多くなってしまったのなら、皮疹が悪化していたり、治りにくかったのは当然であると捉え、アトピー改善に向けた原因と対策が明らかになったとポジティブに捉えましょう。そして、計画的にひとつひとつ改善していけば良いのです。中には一朝一夕で改善できない、もしくは改善が難しい項目もありますが、できることから着実にこなしていくと良いでしょう。
ちなみに、現在の私は以下の7項目にチェックが入りました。
- 水分摂取過多(水分のとりすぎ、平均的大人では1日2500ml必要)
- 夕食後以降、翌朝までに水分を多く摂る
- 夜にアルコールを飲む
- 業務内容の複雑さ
- 長時間の入浴やシャワー(3分以上湯船に浸かる、シャワーに掛かる)
- 保湿剤の使用(化粧水、馬油、オリーブオイル、ハブ油、美肌水、ワセリン、アズノール軟膏、その他の軟膏やクリームの使用)
- 毛を抜く、剃る(ひげ剃り)
水分はちゃんと測ってないですが、食事以外で1,500mlは確実に超えてるかと思います。夏場であれば、飲みたい分運動して汗をかいていたのですが、冬場は運動しても汗があまり出ないんで、、、 ただ、もう掻き壊すことがないに等しいので、影響はあまり感じないです。
また、脱保湿を乗り越えたあとは、ある程度の保湿も問題ないと感じております。現在仕事で人と会う時などは保湿をしますが、連休などで2、3日全く保湿しなくても落屑、痒み等一切ありません。
私にとって痒みに影響があるのは、アルコールの接種です。アルコールには血管拡張作用があるため、皮膚への血行がよくなり、痒みが増します。また、中枢神経系へ作用しますので掻く動作がひどくなり、麻酔作用により掻いている感覚や痛みにも鈍くなります。
ですが、アルコールにもストレス解消等プラスに働く面もあるので、ご自身の身体、精神と相談しながら上手く付き合っていただければと思います。