第7章

脱ステのススメ 22 第7章 〜入院生活1日の流れ〜

阪南中央病院での入院生活について

 

入院生活は、一言で言えば『自由』です。外出が可能となる時間は6時、消灯時間21時30分以外はかなり自由です。朝昼晩の食事提供時間も決まっておりますが、事前に必要ない旨を伝えておけば、外食も可能です。1日1食は病院で食事を取らなければならないという決まりはありますが、先生の許可が出れば外泊も可能です(朝ごはんを病院で食べてから外出し、次の日の夕食時間までに病院に戻る)。私は家が近かったので、家に帰って家族と過ごしたり、旅行に行ったりもしました。近畿以外からの入院患者も多くおりましたので、患者同士でUSJに遊びに行ったり、京都に観光に行ったりと、皆様おもいおもいに入院生活をエンジョイされていました。このように自由な入院環境でしたので、患者の性格や症状の程度により1日の過ごし方は全然違います。もちろん、毎日のチェックする項目もありますので、病院がチェックする項目も含め、私の基本的な入院生活1日の流れを記載しますので、参考にしていただければと思います。 

 

午前中 

起床 5時45分 

 6時から外出が可能なので、私はこれぐらいの時間に起きて、朝の運動に向けた準備運動(ストレッチ等)をすると同時に、朝のチェック項目を埋めます。朝起きてチェックする項目は、起床時間、体温、脈拍、よく眠れたか(良い、普通、悪いの3段階でチェック) 

 

◆朝の運動 6時15分〜7時15分 

病院から1キロぐらいのところに、ランニングやウォーキングには最適な大泉緑地という外周約3キロの大きな公園がありましたので、往復2キロのウォーキング、公園の外周3キロのランニング、公園の器具を使った筋トレ(懸垂、腹筋、ストレッチ等)を行っていました。消費カロリーは約150キロカロリー、心拍数も150ぐらいが平均でした。季節は真夏で、もともと新陳代謝がよく汗かきな私は、朝の運動で平均500〜600mlの汗をかいていました。帰りのウォーキング時に、ガリガリ君(ソーダ)をコンビニで買い、それを食べながら病院に戻るのが至福の時間でもありました。 

 

◆掃除 7時30分〜7時45分 

 シーツを交換し、ベッド周りの落屑を掃除します。シーツは浸出液で汚れておりますし、落屑はかなりの量です。毎日朝食前に掃除をし、以下の項目をチェックします。浸出液によるシーツの染み(多い、少し、汚れなしの3段階)、落屑の量(片手一杯、片手半分、少量)、シーツ交換の有無、以上3点です 

 

◆朝食 8時〜8時30分 

 朝食は毎日8時に運ばれてきます。朝はパン食かおか食かが選べますが、おかゆ食にすると食事外の水分補給量がさらに減らされるため、私はパン食にしました。内容は大体決まっており、食パン2枚にジャム、スープorサラダ、フルーツに牛乳といったラインナップ。私はこれにヨーグルトやフルーツ、自分の好きなジャムなどを買ってきて食べていました。要は、水分制限を守っていれば、自由に好きなものを食べれるということです。そして、食事完食の可否をチェックリストに記入します。 

 

◆佐藤先生回診 8時15分〜8時45分 

 9時から外来の診察が始まりますので、それまでに佐藤先生が入院患者の回診に回ります。現状を確認し、回復に向けたアドバイスや感染症の兆候があれば内服薬を処方してくれたりと、丁寧かつ厳しい助言をくれます。私は割とストイックな性格なのでそんなことはなかったのですが、ちょっとだらけた生活部分が見られると、先生から厳しく指摘されたなんて話も患者仲間からちょこちょこ聞きました(笑)このように親身になって叱ってくれるお医者さんって、私が子供の頃はわりといたように記憶していますが、最近はめっきり見なくなりました。個人的にはありがたいことだと思います 

 

◆自由時間 9時〜12時 

 佐藤先生の診察が終われば、それから昼食まで自由時間です。私は、基本的に入院中の自由時間はインプット集中しようと決めていたので、目について購入したもののまだ読めていない本や、気になった本を読みまくっていました。入院中30冊ぐらいは読みましたでしょうか。他には、3日に1度のペースでの洗濯、運動がてら自転車で海を見にいったり、デスクワークをこなしたり、病院の昼食を抜いて患者同士でランチに行ったり、買い物に出かけたり、ボルダリングジムに行ってみたり、禅寺で座禅を組んでみたり、娘の誕生日祝いをしたりと、仕事や病気に追われてできていなかったことを次々に消化していったという感じです。 

 

 

午後

◆昼食 12時〜12時30分 

 どんぶりものや天ぷら蕎麦などメニュー豊富です。他の病院の入院食がどんなものかは経験がないのでわかりませんが、阪南中央病院の病院食はどれも美味しかったですし、今までどれほど塩分の濃い食事をしていたかを知ることができ、良い経験になりました。今ではコンビニ弁当なんかは味が濃すぎて食べることはありませんし、今まで頻繁に行っていたラーメン屋なんかも、入院後に行くと味が濃すぎて、いかなくなる店が増えました。ラーメンはいまだに大好きですが。もちろん昼食も、完食したかどうかをチェックリストに記入し、同時に体温と脈拍もチェックします。 

 

自由時間 12時30分〜16時30分 

 昼食後は再び自由時間です。個人的には、入院生活は大学生活時代と似ていると思いました。それはなぜかと言いますと、症状の改善に伴い、とにかく自由な時間が多くなります。この自由な時間を有意義に使えるかどうか、「投資」「浪費」のどちらに使えるかで、そこでの、そしてその後の人生が充実したものになるか空虚なものになってしまうかが決まります。もちろん、最優先事項は『病状の早期回復』ですので、優先順位を誤らないよう注意しながら、皆様も心の充足や余裕を忘れないように回復を目指していただきたいと思います。

アトピー性皮膚炎の治療は、自律神経、精神的な部分が大きく関与する疾患であることは、副腎皮質ホルモンが関係していることからも疑いようがありません。病状の苦しさと精神的なつらさは比例関係に近いですので、この心の充足が重要だという事実は、理論的には相反する状態にあり、実行は非常に難しいです。しかし、日常生活の手引きにも記載した通り、個人差による症状の差や回復までの時間差はありますが、あなたのアトピーは必ず良くなります。焦らず、掻いても悔やまず、悪化を恐れず、心にゆとりを持って回復を目指すのが重要です。 

 

夕方の運動 16時45分〜17時30分 

 どこからの情報かは忘れてしまったのですが、運動に最も適した時間は起床から約10時間後というデータを見たことがあります。また、筋肉留学をしていたなかやまきんに君も、自身のブログで筋トレが一番効果的な時間について以下のように仰っていました。 

 

 

「昼食をしっかりと消化した、昼食後3〜4時間後がベストだと言えます。その理由は、起床して副交感神経から徐々に交感神経が優位になり、この時間帯には、身体(体温、心拍数、呼吸、血圧、運動神経等)がトレーニングを行うのに適した状態になります。さらにこの時間帯は、『朝ごはん』と『昼ごはん』の栄養が血液中に十分に運ばれていて、エネルギー的にも充実した状態と言えるからです 

 

と、芸人なのに普通かつ論理的です。私は個人的になかやまきんに君が好き(パスタにチーズをかけるネタも飴を放り投げるネタも両方かなり好き)ですので、なかやまきんに君を信じるとします。非論理的ですが。 

このような理由からこの時間にも運動をしていました。内容は5キロのランニングとクールダウンを兼ねた1キロのウォーキングです。消費カロリーは約250キロカロリーで、心拍数は約150。汗による消費水分量は700〜800mlでした。汗をしっかりかけば、わりと好きなように水分を摂取できるので、そういった面でもオススメです。運動から戻った後、今日の運動の記録として、何をどれだけ行ったか、運動による消費水分量はどれぐらいあったかを記録します。例えば、『ランニング8キロ、ウォーキング3キロ、消費水分量1300ml』といった具合です。 

 

◆シャワー 17時30分〜17時40分 

 入浴は、「入浴後の乾燥や痛みが怖くてあまり入りたがらない患者が多い」という話をしましたが、汗だくになるとシャワーはやはり気持ちいいので、私は汗をしっかりかいて、「シャワーを浴びたい」という状況を意識的に作っていました。しかしシャワーは前述の通り1〜2分で、熱いお湯ではなくぬるま湯、もしくは水で行います。長い時間の利用も、保湿となってしまうので避けます。アトピー患者の方であれば、熱いお湯をかゆい部分にかけると驚くほど気持ちが良いことはご存知かと思います。しかし、この熱いお湯がアトピー患者にとって良くない理由を佐藤先生に尋ねると、 

 

熱いお湯はかゆみを引き起こす作用がありますし、乾燥を防ぐために身体が自然分泌する皮脂を洗い流してしまいます。特に顔なんかは、皮脂が出てくるようになればかなり改善してきていると言えるので、皮脂を洗い流さないよう熱いお湯は避けてください 

 

とおっしゃっていました。 

 

夕方以降

◆夕食 18時〜1900 

 18時からは夕食の時間です。メニューに関しては詳しくは覚えていませんが、和食もあれば洋食、中華もあり、天ぷらや唐揚げのような油っぽいメニューも普通にありました。これも先に記述しましたが、皆様もあれがダメ、これもダメ、なんて考えずに、バランスの良いメニューであれば好きなように食べていただければと思います夕食後も、完食できたかどうかをリストに記入します。 

 

◆自由時間 19時00分〜21時30分 

 夕食後は再び自由時間です。ここで私が注意していたのが、『20時以降(就寝2時間前)はテレビ、パソコン、スマホは見ない、いじらない』ということです。アトピー患者にとって、辛いことランキングベスト3に間違いなく入るのが『身体が痒くて眠れない、夜中に何度も目が覚める』です。

私自身、入院直前はほぼ一睡もできない日がありましたし、入院直後の頃も、2〜3時間に1度は身体が痒くて目が覚めていました。しかも、目が覚めているときは意識的になんとか我慢できるようなかゆみも、寝ているときは無意識にかきむしってしまい、皮膚を大きく傷つけてしまいます。これらの精神的、肉体的疲労を軽減するためにも、より良い睡眠を取ることは症状の改善に直結する最重要事項とも言えます。 

 後に詳述しますが、パソコンやスマホ、テレビが発する『ブルーライト』は、眠気を促すホルモンを抑制する働きがあり、スムーズな眠りを妨げてしまいますですので、就寝2時間前にはそのような電子機器は見ないようにし、読書やリラックスできる音楽などを聞いて、就寝に向かった準備をすることをオススメします睡眠については第8章で詳述します。 

 

◆消灯 21時30分 

21時30分には全館消灯となりますので、消灯前に、今日1日のチェックリストのまだ埋まっていない部分、夜の体温と脈拍、本日の摂取水分量、入浴回数、排便回数を書き込みます。私は、消灯から15分間ほどリラックスできる音楽を聴きながら座禅を組み、脳をリラックスさせるようにしていました。こちらについても、後述しますが、禅を組む習慣はいまでも続けています。 

 

 

そして22時に就寝。といった流れで1日が終わります。1日の中で度々チェックリストに記入する項目がありましたが、これは症状の経過を把握する上で非常に重要ですし、目標の達成具合を把握する役割も果たします

入院当初は、2〜3時間に1度は目が覚めていましたので、よく眠れたかのチェックリストは3段階で最悪の『悪い』、浸出液によるシーツの汚れの項目も最悪の『多い』、落屑の量も最悪の『片手一杯』でした。逆にいうと、これらの3つの項目が、『良く眠れた』『浸出液による汚れ無し』『落屑ほとんどなし』というような状態にまでなれば、こんなに喜ばしいことはないですし、日常生活もそれほど苦もなくおくれるでしょう私の場合、なんとか退院3日前までには、この3つを最高評価にできるまで回復してやる!というモチベーションにもなりました。もちろん急によくはなりませんが、段階的に良くなっていることを記録として確認できますし、実際私は退院の3日前には全ての項目で最高評価をつけれるまで回復しました。 

 

 

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