第8章

脱ステのススメ 24 第8章 〜質の良い睡眠をとるためには〜

質の良い睡眠をとるためには?

 

質の良い睡眠が日々取れているかどうかは、より良い人生を送る上でとても重要な要素であるということは、皆様に納得していただけるかと思います。

かゆみにより数時間おきに目を覚まし、また睡眠中、無意識に掻いてしまうことによって傷が悪化し、なかなか治らない。起床時間がきても全く眠れた気がせず、傷の悪化により肉体だけでなく精神もやられ、そんな状態の中仕事に向かう。

そんなアトピー患者にとって、『質の良い睡眠がとれる』ということは、症状の改善に直結するとても重要な要素であり、『何より、まずぐっすり眠れるようになりたい』という願いは、アトピー患者全員に共通するものであると思います。現に私自身、症状の悪化と比例するように睡眠時間が減っていき、入院前には1〜2時間おきに痒みによって目が覚めるといった状態で、精根ともに疲れ果て、それによって症状も悪化するという悪循環に陥っていました。 

 

そんな状態の中入院生活に突入することとなったのですが、入院すると、消灯時間は21時30分と決まっておりますし、そこから眠れずにベッドの上でモヤモヤする時間というのはなんともやりきれない。しかし、これまでの就寝時間が24時〜25時であった私は、入院当初、22時に就寝するというのに手ずり、どうしたものかと考えました。そこで私は、『質の良い睡眠をとるための方法』を色々調べ、実践していくことにしました。 

 

睡眠ゴールデンタイム 

 

 

人の眠りには『レム睡眠』と言われる、脳は起きていて体が眠っている睡眠時間と、『ノンレム睡眠』、脳も体も眠っている睡眠時間の2種類があり、睡眠中、人はこの2種類の睡眠を繰り返しています。 

寝付くとまずやってくるのが、ノンレム睡眠です。とりわけ最初にやってくる90分間のノンレム睡眠は、睡眠全体の中で最も深い眠りです。この状態の人が最も起こしにくく、仮に無理に起こされた場合、頭がーっとした状態で目が覚めます。 

その後、入眠から約90分後に最初のレム睡眠が訪れます。まぶたの下で眼球が素早く動いたり、夢を見たりするのがこのタイミングです。レム睡眠中意識はありませんが、睡眠時間の中でも比較的簡単に起こすことができます。 

 

このレム睡眠とノンレム睡眠のセットが明け方くらいまでに4〜5回繰り返し現れるのが、通常の睡眠のパターンと言えます。ノンレム睡眠は明け方に近づくにつれて浅くなり、持続時間も短くなります。それとは逆にレム睡眠は、明け方になるほど出現時間が多くなり、浅くて長い夜明けのレム睡眠時に目覚めるというのが自然な睡眠の流れです。 

『スタンフォード式 最高の睡眠』の著者で、スタンフォード大学睡眠生体リズム研究所所長、一般財団法人良質睡眠研究機構代表理事を務める西野精治氏は、睡眠の質を高める方法について、 

 

睡眠の質を高めるには、最初のノンレム睡眠をいかに深くするかということがポイントです。ここで深く眠ることができれば、その後の睡眠リズムが整い、自律神経やホルモンの働きが良くなり、翌日のパフォーマンスも上がります 

 

とおっしゃっています。逆に最初の睡眠でつまずいてしまうと、どれだけ長く寝ても自律神経が乱れたり、日中の活動を支えるホルモンの分泌に狂いが生じてしまうと言います。つまり、入眠後最初にやってくる90分のゴールデンタイムをいかにしっかり眠れるかが、睡眠の質を分ける大きなポイントだと言えます。 

 

スタンフォード式最高の睡眠/西野精治著

 

 

ゴールデンタイムの睡眠効果 

グロースホルモンの分泌

 

睡眠におけるゴールデンタイムの効果についてまず最初挙げれるのが、『グロースホルモンが最大限分泌される』ということです。

グロースホルモンとは、いわゆる成長ホルモンと呼ばれるもので、幼少期や若者だけでなく、老年期に入ってもその量は減りますが分泌され続けます。このグロースホルモンは、細胞の成長や新陳代謝の促進、皮膚の柔軟性アップやアンチエイジングの役割を果たすと言われるホルモンで、第1周期のノンレム睡眠時、いわゆる睡眠におけるゴールデンタイムに、なんと70〜80%が分泌されるそうです。睡眠の質が悪かったり、外部から阻害されたりすると、このグロースホルモンは正常に分泌されず、いつもの就寝時間よりも遅れて寝たりしても、入眠初期に分泌されるものの分泌量が減少します。また、明け方や日中に眠ったときは、さらに分泌量が少なくなるようです。 

 

 

自律神経の調整

 

ゴールデンタイム効果の2つ目が、『自律神経の調整』です。

本書でも何度か登場していますが、自律神経には活動モードの『交感神経』と、リラックスモードの『副交感神経』の2つがあり、1日において、この2つは常にどちらか一方が優位な状態にあります。眠りに就く時は、徐々に交感神経の活動が弱まり、副交感神経が優位になります。活動時は交感神経、休息時は副交感神経という自律神経の役割交代がスムーズに進むと、脳も体もしっかりと休息をとることができるのです。アトピーと自律神経の関係は切っても切れないものであり、この自律神経を整えるために重要なのが、睡眠のゴールデンタイムに脳と体をしっかりと休めることなのです。 

 

さらに、長時間起きていると、眠りたいという睡眠欲求が高まるというのは人間として当然のことなのですが、最初のノンレム睡眠でこの睡眠欲求の多くが消化されることも実験で明らかになっています。つまり、睡眠のゴールデンタイムである入眠後最初の90分の質を高めれば、朝スッキリと目覚めることができる上に、昼間の眠気も軽減し、 

 

「しっかり寝たはずなのに、疲れが全然取れない・・・」 

 

という状態を防ぐことができるのです。忙しくて睡眠時間が充分に確保できない人や、まさにアトピー性皮膚炎患者などの睡眠に悩みを抱える人ほど、このゴールデンタイムの質を下げてはいけないと言えます。それほど睡眠のゴールデンタイムは、質の良い睡眠を獲得する上で絶対に外してはいけない最重要ポイントなのです。 

 

では、最初の90分の質さえ高めれば、睡眠時間が2〜3時間でも良いのかと言えば、残念ながらそうではありません。もちろん睡眠時間が少なくても全く問題がないという方もごく少数おられるのは事実ですが、通常、睡眠時間は最低でも6時間以上はとるということも重要です。つまり、睡眠時間『6時間』を確保し、『睡眠のゴールデンタイム』に深く眠るということが、質の高い睡眠を得るためのポイントとなるのです。 

 

 

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