さいごに
最後に、ステロイド依存、およびアトピー性皮膚炎の自然治癒を促進する方法を以下に記します。この方法は、阪南中央病院での外来、そして入院中に実行されていることで、この方法を着実に実践すれば、ステロイド依存、難治化アトピー性皮膚炎は必ず改善します。私がその証拠ですし、私が入院中に出会った患者の皆様も、一様に症状が改善していたことからも、有効性は折り紙付きです。
ですが、私のように論理的にはこのやり方が正しいと頭では理解できても、いざ症状がひどくなり、心身ともに正常ではなくなってくると、外用剤を使った楽な、根本的解決には繋がらない方法を取ることを考えてしまいます。あなたが、今後の人生においてステロイドを塗り続ける覚悟があるのであれば、それはあなたが選んだ人生です。誰にも止めることができませんし、間違っているとは言えません。
ですが、もしあなた自身、あるいは知人のアトピー性皮膚炎の治療に対して、『このままでいいのか?』と迷っているのであれば、本書に記した方法をとって、ステロイド依存を克服する道を選んでください。私をはじめ、そういったあなたの想いや悩みを真摯に受け止め、回復をサポートしてくれる人、医師、病院は確実に存在します。そして、あなたのアトピー性皮膚炎は、ステロイド外用剤を使うことなしに必ず改善します。
最後までお読み頂き、本当にありがとうございます。
あなたやあなたの周囲でアトピー性皮膚炎に苦しむ全ての人が、アトピーを克服し、笑顔で、健やかな人生を送ることができるよう、心よりお祈りいたします。
まとめ
1.症状について
・悪くなっても恐れない
・掻いてしまっても悔やまない
・日々の爪の手入れを忘れずに
2.水分制限について
・食事外水分摂取の基本量は1000〜1500ml
・夕食後の水分摂取は控える
・睡眠前に薬を飲む場合は20ml以下
3.食事について
・1日3食規則正しい食生活を
・夕食は早めに摂る
・塩分は控える
・高タンパク(特に動物性タンパク)摂取を心がける
4.入浴について
・皮膚を消毒させるため、短めのシャワーを浴びる
・石鹸を使う場合は、保湿作用の少ない石鹸を使う
5.運動について
・脈拍1分120を30分持続させる有酸素運動を、少なくとも週3回
・運動が苦手な方はウォーキングから
6.睡眠について
・入浴は就寝90分前に行う。足湯なら就寝前でも可
・自分にとって快適な室温を保つ
・就寝2時間前は、スマホ、パソコン、テレビなどは見ない、触らない
・眠る前のルーティーンを作る
・起床時間、就寝時間をパターン化させる
7.第7章、アトピー悪化要因チェックリストの項目を埋め、該当項目で改善できることは改善する
※第7章 〜アトピー悪化要因チェックリスト〜 参照
8.第7章、日常生活におけるチェックリストを参考に、日々の症状の経過をチェックする
※第7章 〜脱ステ生活における日々のチェックリスト〜 参照